電子マネーの注意点

電子マネーカードは重ねると不具合が起こる?

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最近、通勤のためにSUICAとPASMOの2枚持ちを始めたんだ。でもこの前、1つのパスケースに2枚を重ねて入れて、駅の読み取り機にかざしたらエラーが起こっちゃった。朝のラッシュ時間だったから、後ろの人が大激怒。「早くしろ!」って怒鳴られてとっても焦ったよ。電子マネー、やっぱり怖い!

おちついて、ぞっきー。電子マネーは重ねて使うとエラーがでることがあるの。でも、エラーの理由と対策方法をしっかりとれば、大丈夫だよ。

電子マネー、重ねてエラーの理由

カード読み取り機が「どちらを読み取ればよいのか」混乱するから

電子マネーを読み取る仕組みは、基本的に2つあります。

1つ目は情報が記録された部分をリーダー(カード読み取り機)に接触させ、直接読み取る方法。

2つ目は情報を記録した部分をリーダーにかざして読み取る方法です。リーダーとカードが直接接しなくても情報をやり取りできます。電子マネーの「かざしてお支払い」を可能にしているこの技術を持ったカードは「非接触型ICカード」と呼ばれています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

「非接触型ICカード」はリーダーにかざして決済ができるため、コンビニの店員さんや駅員さんにカードを手渡す必要がありません。パスケースに入れたまま、自分でリーダーにカードを読み取らせ、支払いをする人が増えています。

しかし、読み取り部分を直接接触させるわけではないため、リーダーの読み取り範囲内に複数の「非接触型ICカード」が存在すると、リーダーは「どっちを読み取ればいいの?」と混乱してしまいます。

結果、エラーが出て「支払いができない」という事態が起こるのです。

とくにSUICAとPASMOのような同じ交通系列の電子マネーを重ねて読み取らせようとした場合はエラーが起こりやすいとされています。

読み取りに必要な電力が別れて、不足してしまうから

「非接触型ICカード」の仕組みの基本は、中学校理科で勉強した「電磁誘導」です。

電磁誘導とは簡単に言えば「磁界が変化すると、近くにあるコイルに電流が流れる」仕組みです。例えば、針金を棒状のものに巻き付けて作ったコイルのそばで磁石を動かすと、コイルに電流が流れるのです。不思議ですね!

非接触型ICカードでも同じことが起こります。リーダー(読み取り機)からは電磁界が発生しています。ICカードの中にはコイルが埋め込まれていますので、磁石に近づけたコイルと同じように、カードの中のコイルにも電流が流れます。この時得られる電力を利用して、ICカードが起動。リーダーと情報をやり取りするというわけです。

しかし、複数のICカードを重ねて使うと、読み取りに必要な電力はカードそれぞれに分散してしまう可能性があります。結果、情報を読み取るだけの力が得られず、エラーが起きてしまうのです。

エラーを起こさない対処方法

では、具体的な対処方法を教えちゃいます。

カードはケースから取り出して使う

実は非接触型ICカードはもともと重ねて使うことが禁止されています。

こちらは、Suicaの公式ページですがはっきりと「パスケースに複数枚のICカードを入れない」よう明言しています。

もともと非接触型ICカードは重ねて使うようには作られていないという点を理解し、使うときはカードケースから取り出して使うのが一番です。

そうすれば不具合は起こりません。

しかし、そうはいっても急いでいるときにわざわざパスケースからカードを取り出すのも面倒なんだが…

そんなあなたには、以下のような商品をお勧めします。

ICカードセパレーターを使う

複数のICカードを1つのパスケースで使いたい人のために、ICカードセパレーターという商品が存在します。

これはカードとカードの間に挟むシートのようなもので、リーダーから出る電磁界を裏面のICカードに通さないようコントロールしてくれる一品。

2つのICカードの間に挟むことで、裏と表のカードを分離でき、リーダーが「かざした面」だけのICカードを読み込むように調整してくれます。

このICカードセパレーターを使えば、1つのパスケースに2つの交通系電子マネーを入れて、両面を使い分けることができるのです。

セパレーター付きのパスケースを使う

現在お持ちのパスケースを使い続けるならICカードセパレーター単体を購入することをお勧めしますが、「この機会にパスケースごと買い替えようかな」と考えているなら、セパレーターつきのパスケースを選んでください。

スマホで管理する

SuicaにはモバイルSuicaというサービスがあります。これは、簡単に言えばスマホの中にSuicaを取り込んで、使うことができるというサービス。

残念ながら、現時点(2019年6月)ではモバイルPASMOというサービスはありませんので、PASMOはカードで使うしかないのですが、Suicaはスマートフォンをカード代わりに使用することができます。

Suicaはスマートフォンで、PASMOはカードで使えば、ICカードが干渉することもなくなりますね。

他にも、ICカードの多くがスマートフォンでのサービスを実施しています。

ただしスマートフォンの操作が苦手という人は、セパレーターの活用を考えた方が良いでしょう。

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