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使える範囲が広がっている電子マネー。ポイントもつくし、個人事業の仕入れや経費の支払いにも使いたいな。でも、そんなことできるのかな?
もちろん、電子マネーで支払った場合でも経費として計上可能だよ。ただし、帳簿に上げるタイミングや勘定項目に少し注意が必要だね。
電子マネーの勘定項目は?
電子マネーは最近急速に広まっている決済手段で、経理ソフトの勘定項目を見ても「電子マネー」はないはず。
じゃあどうすればいいの?とパニックになる必要はありません。「電子マネー」の代わりに使える勘定項目がちゃんと存在するので、これを利用して記帳を行いましょう。
では、どんな勘定項目を使ったらよいのか。明確な基準はまだありませんが、よく使われるのは次の4つです。
預け金…取引先や従業員などに一時的に預けたお金、銀行預金以外の預金を記録する勘定科目。
仮払金…旅費の前払いなど、金額が確定しない費用を先に記録するための勘定科目。
前払費用…家賃やリース料などの前払い金分を記録するための勘定科目。
貯蔵品…図書券や切手などを記録するための勘定科目。このサイトでもたびたび説明してきたのと同じく、「電子マネーは図書カードと同じ」という考え方ですね。
どれを使ってもいいですが、他の用途と判別できるよう、「摘要」欄などに「電子マネー」と付け加えると分かりやすいでしょう。
また、自分で勘定科目を付け加えることができる経理ソフトをお持ちの場合は上記勧業科目に倣った「電子マネー」という科目を自作してもいいでしょう。
実際の仕分け方法
では、実際にはどのような仕分けになるのか見ていきましょう。仕分けのタイミングによってパターンが2つあります。
電子マネーを使うたびに仕分けするパターン
仕分けのタイミングは、
・電子マネーに現金をチャージしたとき
・実際に電子マネーを使用して支払いを行ったとき
です。
例として最初SUICAに現金を10000円チャージし、交通費を払う場合を見ていきます。
※ここでは預り金の勘定項目を使いますが、他の勘定科目(仮払金、前払費用、貯蔵品)でもOKです。
4/1 現金をSUICAにチャージした
借方 | 貸方 |
預り金 10000円 | 現金 10000円 |
5/20 A駅からB駅までの交通費2000円として使用
借方 | 貸方 |
旅費交通費 2000円 | 預け金 2000円 |
決算時 何もしない
決算時にまとめて計上するパターン
こちらは電子マネーを使う機会が比較的多く、使うたびに記録するのは大変手間がかかるという人向けの仕分け方法です。
仕分けのタイミングは、
・電子マネーに現金をチャージしたとき
・決算時
です。
4/1 SUICAに現金10000円をチャージした。(この時点で全額を旅費交通費に振り替える)
借方 | 貸方 |
旅費交通費 10000円 | 現金 10000円 |
5/20 A駅からB駅までの交通費2000円として使用
仕訳無し
決算時
借方 | 貸方 |
預け金 8000円 | 旅費交通費 8000円 |
決算時に交通費に使っていない分を旅費交通費から取り消し、預け金に振り替えているのか!
ポストペイ型電子マネーの場合は?
いままでみてきたのは、プリペイド(前払い式)電子マネーの場合です。
では、ポストペイ(後払い式)電子マネーの場合はどうでしょう。
ポストペイ型電子マネーでは後からお金を請求されるので、勘定科目は「未払金」で処理します。これはクレジットカードでの支払いを計上するのと同じと考えればいいでしょう。
5/20 A市からB市までの交通費2000円としてポストペイ型電子マネーを使用
借方 | 貸方 |
旅費交通費 2000円 | 未払金 2000円 |
6/30 ポストペイ型電子マネーの清算日 預金口座から使用金額が引き落としされる
借方 | 貸方 |
未払金 2000円 | 普通預金 2000円 |
使用履歴はコピーを取っておこう
電子マネーを使用するメリットは、いちいち領収書を取らなくてもお金を使った証拠になる使用履歴がのこること。
とくに電車の乗り降りなどで領収書を発行してもらうのはとても手間ですし、忘れてしまうことも多いでしょう。
その点、パソコンやスマートフォンからいつでも履歴を確認できる電子マネーはとても便利です。
ただし、ネット上に記録されている使用履歴は突然アクセスができなくなる危険性があります。
使用履歴はこまめに印刷し、帳簿上の証拠として保管することが望ましいでしょう。
個人使用をするなら、カードを別けて
手軽に使える電子マネーは、ビジネスだけでなく私用でも使いたくなるもの。
一度や二度の使用なら、「事業主貸」で処理して大丈夫です。
例:コンビニでアイスクリーム400円と仕事用のノート500円を電子マネーにて購入した
借方 | 貸方 |
事業主貸 400円 | 預け金 900円 |
消耗品費 500円 |
ただし、これが度重なると経費と生活費の境目があいまいになってしまいます。できるだけ仕事用の電子マネーカードと自分用の電子マネーカードを2枚持ち、使い分けるようにしてください。